昔は年を数えるのに「数え年」というのがあって、1月1日にみんな1つ年を取った。従って他人との年齢の差は常に一定で変わらない。しかし今は、「満年齢」で数えるので、他人との年齢差は時々変わる。満年齢では「誕生日に年を取る」と言われているからである。ところがこの「誕生日に年を取る」というのが間違いであるということに気がついている人は少ない。
満年齢では「年を取る日」は誕生日の前の日である。さらに細かく言えば「誕生日の前の日の24時」である。24時とは物理的に言えば翌日の0時であり存在しないものであるが、法律的には24時と翌日の0時は区別されており、日単位で物事を考えるときは別の日として扱われる。
例えば「早生まれ」の問題である。同一学年は、4月2日から翌年の4月1日に生まれた者であり、会計年度が4月1日から翌年の3月31日なのとずれているのは何故だろうと疑問に思う人も多い。学校教育法では「満6歳になった日の次の4月1日から学校に行ける」とあり誕生日でなくて「満6歳になった日」を基準にして会計年度と一致させている。すなわち4月1日生まれにひとは3月31日に満6歳になるのである。
一方後期高齢者は75歳以上と定められている。この時健康保険証が切り替わるが、新しい健康保険証は誕生日から有効になる。決して「75歳になった日」誕生日の前の日から有効にはならない。
それは、「日」というものは時間の流れをディジタルに区切っていくものに対して、以上とか以下などは時間の流れをアナログのままとらえるものだからである。75歳以上とは「誕生日の前の日の24時」すなわち「誕生日の0時」以降であるからである。
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