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吊天井事故

中央自動車道の笹子トンネルで天井崩落事故が起きて死者が出た。
 
 報道を聞いてはじめて知ってびっくりした。これは設計ミスだ。1トン以上もあるコンクリートの板を、上部のコンクリートにあけた穴に接着剤で止めたボルトで吊った吊天井なんてありえない。
 
 設計者は接着剤の接着力すなわち「鉄を磨いて油膜も無い状態で接着すれば1平方センチで象でも吊るせる」という接着力から大丈夫と判断したのだろう。しかし接着面がコンクリートではそうはいかない。コンクリートの表面をハンマーで叩けばかけらが飛び散る。鉄板は叩いても表面から何も飛び出さない。要するにコンクリートの表面は剥がれやすいのである。そんなものに強力接着剤で接着しても吊り下げる力はそんなに無い。象を吊るすのには畳み一枚では足りないのではないか。コンクリートの穴の接着面積はどれほどのものであろうか。
 
 専門家は点検管理が杜撰だというが、そもそも設計ミスを管理でカバーしようとする考え方が間違っている。また今回の件はボルトがそっくり抜け落ちていることから接着剤の劣化だと指摘する声もあるようだが、接着剤の劣化というよりはむしろコンクリートの接着面の劣化であろう。このような劣化を、ボルトをハンマーで叩いた音で検出できたときには劣化してしまってボルトとコンクリートがはがれてしまっている時である。沢山ボルトがあるのだから1本ぐらい抜けていても大丈夫という考え方なのだろうけれども、劣化は同時に進むと考えると、その点検が引き金になって天井が落下しないとも限らない。命がけの点検である。

— 記述 m-tezuka at 10:16 am   pingトラックバック [0]

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