弘法筆を選ばず
「なるほど」、と納得した方はこの回はパスしましょう。カメラは所詮、写真を撮る道具に過ぎません。とは言っても、やっぱり道具選びは楽しいですよね。そんな方はしばらく付き合って下さい。
一目惚れ
そうですね。これがカメラ選びの極意ですよ。惚れたカメラなら、長く付き合えます。「あばたも笑窪」でチョッとした不便さも何とか工夫して、「俺でなければこのカメラは使いこなせないんだ!」と言って手放せなくなります。
惚れる所は人それぞれですね。例えば、
スタイルに惚れる。
持っているだけで楽しくなるようなカメラに出会うとうれしくなってしまいます。さっそく買って持ち歩きましょう。
機能に惚れる。
俺が欲しかったのはこの機能なんだ。これで写真撮影が楽しくなるぞ。と思ったらさっそく買ってバシバシ撮りましょう。
安さに惚れる。
デジカメってこんなに安いの。一つ持っていてもいいな。と思ったらさっそく買ってポケットに入れておきましょう。
カメラのことあまり知らないんで惚れようがないよ。という方、そんな方はやっぱり機能や性能を比較しながらスタイルと安さを加味して選ぶことになりますね。
そんな方のために、選ぶときのヒントを述べてみます。
機能や性能比較のヒント
画素数
写真を点の集まりで表現したとき、その点の数が画素数です。例えば今ご覧のパソコンの画面も点の集まりで文字や絵が表示されています。多くのパソコンの画面は横1024×縦768の点(ピクセルという)です。すなわち1024x678=786,432画素、約80万画素です。ということは、デジカメで撮った写真をパソコンで見るのであれば、100万画素程度のカメラで十分だということですね。
でも、写真はやっぱりプリントして人に見せたり、あげたりしたいですね。プリントした写真を近くで見ると1mmあたり10点程度までは区別ができますね。ということは、はがきサイズ(148x100mm)にプリントするには1480×1000ピクセルすなわち148万画素が必要です。ところがデジカメで撮れる写真の横と縦の比は4:3になっており、この要求を満たすものは1600×1200ピクセルすなわち200万画素のデジカメです。
A4サイズになると少し離して見るので1mmあたり8ピクセル程度でも点が目立たなくなりますね。ということで、2288×1712ピクセルすなわち400万画素のデジカメが適当ですね。
レンズ
写真を写す最も重要なものがレンズです。レンズの性能は開放F値と焦点距離ですね。開放F値は数値が小さいほど明るいレンズで、暗いところでも写せます。焦点距離は数値が小さいほど写る画角が広くなり、狭い部屋でも大勢写すことができます。但し、画角は撮像素子の大きさにもよるので、35mm換算値で比較します。
この焦点距離が変えられるものをズームレンズ(光学式ズーム)といいます。デジタルズームとはレンズとは全く関係なく、写した画面の一部を取り出してあたかも画角が狭くなったかのように見せているだけです。パソコンで画像処理を考えている人にはデジタルズームは不要です。
はじめてデジカメを買う人は、3倍程度の光学式ズーム付きで焦点距離がなるべく小さく、開放F値も小さいものを選ぶといいでしょう。
撮像素子
撮像素子はフィルムに相当する部分です。これが大きいほど綺麗な写真が撮れます。アナログカメラでもフィルムサイズが大きいほどきめ細かな写真が撮れるのと同じですが、カメラ本体も大きくなるのもまた同じです。数値は対角線の長さをインチで表しています。
カメラ選びの一つの方法(04/11/9追加)
最近はデジカメも従来のフィルムカメラ以上に種類が多くなったので、カメラ選びも従来のフィルムカメラ選びの考え方で選ぶのも一つの方法です。
旅行の記念写真や子供の成長の記録を撮りたい方
シャッターを押すだけで誰でも簡単に撮れるコンパクトタイプのデジカメを選びましょう。このタイプのデジカメが一番多く選ぶのに迷いますが、どれを選んでもはがきサイズまでのプリントでは差が出ないので、スタイルや手への馴染み具合で選びましょう。
写真を趣味にして良い作品を撮りたい方
レンズ交換ができる一眼レフタイプのデジカメを選びましょう。このタイプは従来の一眼レフの操作性が継承されているものが多いのでデジカメを意識せず撮影できます。また従来のレンズが使えるものもあるので、フイルム式の一眼レフを使ってきた方は同じメーカーのものを選ぶのも一つの方法です。
カメラ操作そのものを楽しみたい方
自分で、「絞りとシャッタースピードを決めてピントを合わせてからシャッターを押して写真を撮る」という一連の動作を楽しみたい方は、レンジファインダータイプのデジカメを選びましょう。このタイプのデジカメはまだ少ないのでどれを選ぶかは迷うことはありません。現在はエプソンのR−D1がありますので下のリンクからご覧下さい。
カメラメーカーへのリンク
購入を考えていらっしゃるあなた、カメラメーカーのサイトを訪問して最新の情報で検討の参考にしましょう。